伝統文化豆知識♪ 花嫁着物の文様〜鶴文様編〜
【はじめに】
CUCURUには日々いらっしゃる花嫁さま。その中には、お母さまやご家族がお着物に詳しくご一緒に来店されて「お着物にはこの文様があるものがいい」とかなりの目利きの様子でお着物選びをされる方もたくさんいらっしゃいます。普段はお着物はお召しにならないながらも、お式が決まってからお好みの花嫁着物を探している間に、様々な模様・文様の違いがすこしずつわかるようになってきたり「この文様の意味はなんだろう?」と思った花嫁さまもいらっしゃるかもしれません。
そんな花嫁さま方がもっと花嫁着物を愉しめるよう、今回は花嫁着物のなかに描かれるさまざまな文様の意味やなりたちをご紹介していきます。
「意味も合わせて気に入ったお着物を見つけたい!」
「好きな文様の入ったCUCURUのお着物を知りたい!」
という花嫁さまがぜひお読みくださいね。
今回は、花嫁着物に多く登場する「鶴の文様」をご紹介。
【鶴の文様】
鶴といえば、日本でも代表的な吉祥文様の一つです。「鶴は千年、亀は万年」といって長寿を表しているのは有名ですが、鶴と亀が長寿の象徴となったのは実は古代中国の仙人たちの使いであったから。空中を渡る時は鶴に乗り、水中では亀に乗って仙人たちは移動していたと言い伝えられています。そして、不老不死の存在である仙人の使いなのだから、鶴と亀も合わせて長寿な動物として考えられるようになったのです。それ以外にも、「夫婦鶴」といって、一生を添い遂げる夫婦の絆も意味しており、花嫁さまのお召しになるお着物としてはぴったりの縁起のいい生き物なのです。
そして飛び立つ姿の美しさだけでなく、様々なおめでたい意味を持つ鶴の文様。たくさん描かれていく過程で、様々な種類の文様が生まれました。今回は、模様として花嫁着物の中にもよく描かれる「向かい鶴」と「鶴丸紋」をご紹介いたします。
<向かい鶴>
鶴が向かいあった姿を幾何学的に繰り返し描いたものを、「向かい鶴」と言います。帯の地紋として使われるだけでなく、彩や変化を加えるようにお着物の柄に描かれていることも多くございます。小さく描かれた鶴は鶴が主役のお着物とはまた違い、なんとも可愛らしい印象を与えます。
<鶴丸紋>
鶴が丸い形で描かれるものを鶴丸紋と言います。向かい鶴の形で描かれるものもあれば、一羽が丸紋になっているものもあります。丸い形は可愛らしい印象を与え、お着物に彩を加えてくれます。CUCURUでは、鶴と松竹梅を合わせた鶴丸紋を五つ紋にした白無垢もご用意しております。普段は鶴が苦手という花嫁さまにもお選びいただきやすい文様です。
【花嫁着物のなかの鶴文様】
一口に「鶴」といっても様々な描かれ方をしている花嫁着物の鶴文様。ここで、鶴が描かれたお着物をいくつかご紹介いたします。
《相良刺繍四季花流水》
艶やかな白地に相良刺繍が施された、贅沢な一枚。
華やかな四季花の模様に流れるように穏やかな結婚生活を彩る意味をもつ流水、そして鶴の入ったこの一枚はこれからの末永い幸せを願う花嫁さまにおすすめです。
《二藍暈し松に鶴》
厚地で光沢のある緞子の生地を活かした美しい色味と伝統的な鶴の柄行。どっしりとした高級感が印象的な色打掛です。
【さいごに】
いかがでしたか。お着物によって様々な表情を見せる鶴の文様。イメージで「鶴が苦手」と思っている方も、ぜひ色々なお着物を目で見て、先入観にとらわれずにお気に入りの一枚を見つけてみてくださいね。