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コラム

伝統文化豆知識!花嫁着物の文様〜雲取文様編〜

【はじめに】

CUCURUには日々いらっしゃる花嫁さま。その中には、お母さまやご家族がお着物に詳しくご一緒に来店されて「お着物にはこの文様があるものがいい」とかなりの目利きの様子でお着物選びをされる方もたくさんいらっしゃいます。普段はお着物はお召しにならないながらも、お式が決まってからお好みの花嫁着物を探している間に、様々な模様・文様の違いがすこしずつわかるようになってきたり「この文様の意味はなんだろう?」と思った花嫁さまもいらっしゃるかもしれません。

そんな花嫁さま方がもっと花嫁着物を愉しめるよう、今回は花嫁着物のなかに描かれるさまざまな文様の意味やなりたちをご紹介していきます。

「意味も合わせて気に入ったお着物を見つけたい!」
「好きな文様の入ったCUCURUのお着物を知りたい!」
という花嫁さまがぜひお読みくださいね。

今回は、雲や霞にちなんだ文様『雲取文様』をご紹介していきます。

 

 

【雲取文様の成り立ち】

形を様々に変えながらも、生まれては消え、消えては生まれる雲や霞。吉祥文様としての雲や霞はは元々、古代中国からもたらされました。古代中国の「不老長寿」を求める神秘思想において、くるくるとした模様を描いた雲は『霊芝雲』と呼ばれ縁起の良い模様とされていたのです。

(△このような模様は、中華料理屋さんのお皿などにもよく描かれていますよね)

また同じ頃、自然の美しさを描き愛してきた日本人たちは、『霊芝雲』だけでなくさまざまな形で雲を絵のなかに描いてきました。そしてその形や特徴から、様々な役割が加わっていきさまざまな意味や用途で使われるようになります。

たとえば、こちらの屏風。

こちらは、源氏物語の様々なシーンを描いた屏風です。形を変えて移り変わっている雲の様子から、当時の人たちは物語のシーンの移り変わりを表現しました。平安時代以降、愉しむための読み物としてだけでなく教養として読まれつづけてきた源氏物語。それぞれの章の印象的な場面はたくさんの人たちが自然に心に描くことができたものです。そんなふっと浮かんでくるような情景を雲描くことで自然と表現できたのかもしれませんね。ちなみに、このようにな雲は『源氏雲』と呼ばれます。花嫁着物にもたくさん登場する、源氏物語にちなんだ文様・模様たち。『源氏雲』もその一つです。

また、街全体を描いたこちらのような絵では、空間に余白を与えるために使われています。

(△狩野永徳『洛中洛外図』)

影で陰影をつけていく西洋の絵とちがって、紙や布に染料を染み込ませるようにして描いていく日本の絵。奥行きや立体感は色の陰影よりも、雲のようなものの描きかたで表現するのは面白いですよね。さらに余白ができることにより粋な抜け感も出せる雲の存在。シンプルなようでいてたくさんの意味や目的をこめた「雲」はとても奥深い模様ですね。

そんな日本古来からの雲に中国からの『霊芝雲』の縁起の良さが加わり、花嫁着物やたくさんの礼装用のお着物にも描かれる吉祥文様となりました。

【花嫁着物のなかの雲取文様】

花嫁着物には、さまざまな技巧を凝らした雲取文様が登場します。代表的なのは、雲のなかに七宝や花菱、麻の葉などの模様を描いたもの。

たとえばこちらの色打掛では、黒い雲のなかに花菱の模様が描かれています。

(△狩野永徳『洛中洛外図』)

影で陰影をつけていく西洋の絵とちがって、紙や布に染料を染み込ませるようにして描いていく日本の絵。奥行きや立体感は色の陰影よりも、雲のようなものの描きかたで表現するのは面白いですよね。さらに余白ができることにより粋な抜け感も出せる雲の存在。シンプルなようでいてたくさんの意味や目的をこめた「雲」はとても奥深い模様ですね。

そんな日本古来からの雲に中国からの『霊芝雲』の縁起の良さが加わり、花嫁着物やたくさんの礼装用のお着物にも描かれる吉祥文様となりました。

【花嫁着物のなかの雲取文様】

花嫁着物には、さまざまな技巧を凝らした雲取文様が登場します。代表的なのは、雲のなかに七宝や花菱、麻の葉などの模様を描いたもの。

たとえばこちらの色打掛では、黒い雲のなかに花菱の模様が描かれています。

 

CUCURUでも人気の高いこちらの色打掛は、大きな雲取の模様部分に臈纈染めがほどこされています。黒一色で染め上げるよりもやさしい印象になり、同時に雲らしいテクスチャを感じさせます。黒い雲と重なるように金の雲がかさなり、花嫁さまらしい華やかさも。

さらに、雲取をさまざまな色で描くことも。こちらの引き振袖では、雲取が全体に描かれたお着物は3色ほどの色味が重なり合い、動くたびに違った表情を見せてくれるのが魅力です。

右と左の袖の色味が違うため袖がふれるたびに印象が変わるのがいいですね。

【さいごに】

いかがでしたか。雲取文様のなりたちやお着物での描かれ方を今回はご紹介していきました。

これからお衣裳を選ぶという花嫁さまはぜひ参考になさってくださいね。

こちらのブログでご紹介したお着物が気になる、ご試着したい、という花嫁さまは、ぜひお気軽にお問い合わせくださいませ。

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